父とお揃い

7/14/2014

父の初盆で、実家に行って来ました。(私の実家がある地域は、7月がお盆なんです。)


生前父に頼まれて、ショルダーバッグを作った事がありました。当然いつも掛けてあった場所にはもうなかったのですが、母に聞くとまだ何処かにあると言うので、出してきてもらいました。これを肩に掛けてくれていた父を、懐かしく思い出しました。

(ファスナー部分はカーブしていて、外ポケットが二つ。)

いつも使っていたバッグだと、バスで病院に通う時に不便を感じる事があったようでした。財布や診察券の他に、折りたたみ傘・薬ケース・過去の検査結果などを入れた小さなケースがすっきり納まって、開閉はファスナー、高齢者パスが出しやすいように外側にポケットを付けてと、父が具体的に要望を出してくれました。いろいろこだわりが有りそうだと思い、改良して欲しいところを言ってもらおうと試作品を持って行ったら、思いがけず気に入ってくれてそれをそのまま愛用してくれました。軽くて肩に掛けた時に体に沿って馴染むところが、良かったようです。

表は少し光沢のある茶色のキルティング地で、ファスナーを開けると裏地に使った気球柄がチラッと見えます。父の仕事から、父〜機械の設計・製作〜ダビンチのヘリックス〜ヘリコプター〜気球、という連想(ちょっと無理がある感じ?)からのチョイスですが、特に説明もしなかったので多分父はその事を知りませんでした。私にとっては、父への尊敬の気持ちをこっそり表した布選びのつもりでした。

(裏地に使った気球柄。まだ少し残っているけれど…。)

一つ目の試作品でOKが出たので、父が気に入ってくれるまで幾つか作るつもりで多めに買っておいたキルティング地が残ってしまい、生地の消化の為に自分用の簡単なトートバッグを作る事にしました。そんな訳で、デザインは違うけれど親子でなんとなくお揃いのバッグが出来上がりました。その後父が入院したりして、実家に時々手伝いに行くようになった時にも、このバッグをよく使っていました。何しろ大きいので(底 42cmx12cm 高さ 36cm)一泊程度の荷物は余裕で入り、とても便利でした。


(私のトートバッグの裏地は星条旗柄です。)

今回も勿論、このバッグを持って行きました。亡くなって1年が経った今でも、実家に行った時に父がいないのは、仕事かゴルフで外出しているだけのような気がします。父と「なんとなくお揃い」のバッグを持っていれば、尚更その想いは強くなります。

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2 コメント

  1. 思い出がいっぱいつまったバッグですね。シンプルでとっても素敵です。

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    1. ありがとうございます。これからも大切に使っていきたいです。

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