初めての在外選挙

10/30/2021

 日本では10月31日が衆議院選挙の投票日ですね。私達夫婦は先週末日本よりひと足早く、ジョージア州アトランタにある日本領事館で在外投票をして来ました。(在アトランタ総領事館の管轄範囲は、アラバマ州・ジョージア州・ノースカロライナ州・サウスカロライナ州の4州に渡ります。ケンタッキー州にいた時は、ミシシッピ州のナッシュビルにある総領事館にお世話になりました。)


(選挙人登録した時にもらったパンフレット)

行ったり来たりで只今3回目の海外駐在中。合計すれば15年を超える海外生活の間一度も投票出来なかった事にすごく疎外感を感じていたので、在外投票が出来るようになったと聞いた時から、機会があれば海外にいても必ず投票しようと思っていました。日本国籍を持つ日本人であり、家族の仕事の関係で海外に短期滞在しているだけだもの。そして、海外生活が長くなればなる程益々日本が好きになっていくんですな、これが。政局に何もなくても今年の秋には任期満了に伴う衆院選がある事はわかっていたので、去年の6月パスポート更新のためにアトランタの日本総領事館へ出向いた時に、在外選挙人名簿登録をしておきました。そして待つこと数ヶ月、在外選挙人証がアラバマの我が家に届きました。参政権は国民の権利ですからね。持っている権利を行使しないと決めるのは良いけれど、最初から権利はないと言われるのが納得いかないモヤモヤのポイントでした。「これでアメリカにいても投票が出来る!」と、舞い上がる私。

で、ここからが本題。日本のニュースを毎日チェックして選挙に向けて日本も盛り上がっているなあと思っていた折り、10/14に領事館から選挙に関するメールが来て、どうやら郵送での投票では間に合いそうもない事に初めて気づきました。だって、

①選挙人証と投票用紙等請求書を該当する選挙管理委員会に送付。
②選挙人証と投票用紙を返送してもらう。
③記入した投票用紙を選挙管理委員会に送る。

と、10/31の投票日までに3回も太平洋を挟んで郵便のやりとりをしなければいけないなんて、リスクが高過ぎます。改めて以前貰っていたパンフレットで在外投票の方法を確認すると、「投票用紙の請求はいつでもできます。」との注釈がありました。投票出来るという高揚感が大き過ぎて、よく読んでいなかったというか、この一文の本当の意味を理解していなかった…。


という訳で、選挙人証と共に送られて来ていた投票用紙等請求書を使うことも無いのかと虚しさでいっぱいに。

(投票用紙の請求書は、ダウンロードして印刷も可。)

在外投票の方法は郵便投票の他に、

①選挙期間中一時帰国して日本で投票する。
②在外公館で投票する。

の2パターンがあります。

今の段階で可能性があるとすれば②しかありませんが、アトランタの総領事館での投票期間は10/20(水)〜10/23(土)の4日間のみ。平日は仕事があるので、実質土曜日の一択です。ダメ元で主人に「10/23にアトランタまで投票に行かない?」と聞いたところ、あっさり「良いよ〜。」の答えが。主人も今回の投票の機会を楽しみにしていたらしいです。我が家からアトランタまで車で約4時間かかる(しかもタイムゾーンが違うのでアラバマとは1時間時差があり、見た目には行きに約5時間かかる事になります。)ので、日帰りではもったいないという話になって、1泊2日のアトランタ投票旅行をする事になりました。久々のお出掛けで嬉しいっ。

(在アトランタ日本総領事館は、このビルの8階。)

アトランタの総領事館が入っているビルは、大きなショッピングモールの隣にあります。去年パスポートの更新に行った時はコロナ禍の真っ只中で、モールは全館クローズ。領事館の窓口業務も午前中に限られていて完全予約制でした。今回はモールの地下駐車場に車を入れて領事館へ向かいましたが、マスク姿とはいえ沢山の人が楽しそうに歩いているのを見て、前回来た時とは随分街の様子も変わったなあと思いました。


ビルの入り口を入ると、領事館の職員らしき人が「投票ですか?」とすぐに声をかけてきました。動線を最短にする為か、その方がエレベーターまで真っ直ぐに案内してくれて、「8階へどうぞ。」8階でエレベーターの扉が開くとそこにも案内の人が待っていて、ほんの数メートル先の領事館まで案内してくれました。投票時間は5時までで、私達が着いたのは4時頃でした。まずは手荷物検査を受けて中に入ると、パスポートと選挙人証の提示を求められ、マスクを取って本人確認。何人か先客がいて、そこで投票台が空くまで少し待つ事になりました。領事館の窓口の前の待合室の椅子などの配置を変えて、臨時の投票所を上手く作っているのがわかりました。順番が来ると、受付の用紙を書いて提出し、そこで小選挙区用と比例代表用の2種類の封筒と投票用紙を受け取ります。自分で自分の選挙人番号や該当する選挙管理委員会の名前を書かなければいけないので間違いのないようにと結構緊張しましたが、職員の方はとても親切に説明して下さって迷うような事はありませんでした。投票台に背表紙が何センチもあるようなファイルが2冊置いてあり、全国の小選挙区の候補者の一覧を見られるようにもなっていました。(そりゃ、分厚くもなりますわ。)私は事前に調べて誰に投票するか決めていましたが、折角なのでファイルを覗いてもう一度確認してから名前を書きました。


小さな封筒に記入済みの投票用紙を入れて封をし、それをもう一回り大きな封筒に入れてもう一度封をします。これを、小選挙区用と比例代表用の2種類作ります。ここまでが、自分でする作業です。この後この封筒をまた別のカウンターに持っていくと、またパスポートと選挙人証で本人確認の後記入に間違いが無いことを確認の上、別の立会人の方が署名をしてくれて手続きは終了です。投票期間が終わったら、まとめて日本に送られるのだと思います。後はよろしくお願いします、という気持ちです。在外選挙人証の裏に投票の記録を貰い、無事に初めての在外投票を終えました。



今回の選挙で海外から投票する人がどれくらいの人数いるのか分かりませんが、世界中に投票所がいくつも設けられて、投票の権利を行使したい日本人の為に沢山の人が考えてくれているのは確かな気がします。小さなお子さんを連れて投票に来られている方もいらっしゃったりして、いろんな人がいろんな立場で日本の事を思って投票しているんだなあ、と実感した1日でした。

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