ノーザンケンタッキーの桜事情

4/12/2017

今回は番外編で、アメリカ便り的な話を。


3月から4月にかけて、日本各地でお花見を楽しまれた事と思います。私にも大切にしている子供の頃の記憶に繋がる桜の風景があって、「あの桜は今年も綺麗に咲いているのかなぁ。」と思うだけで、なんだかホームシックになってしまいそうです。日本人にとって桜は特別な意味のある花なんだろうと、つくづく思います。

でも、なんとここアメリカはノーザンケンタッキーにも、桜があるんですよ。日本の景色とは大分違いますが、異国の地に桜が咲いているというだけで、十分幸せな気分になれます。玄関周りにシンボルツリー的に桜の木を植えている家が沢山ある事に、花が咲き始めて初めて気が付いた時の驚きと嬉しさと言ったら!

(家の前に枝垂れ桜がある家は、決して珍しくありません。)

(これは、結構な大木ですね。)

(この白い花もいたるところで見られます。桜にそっくりですが、ナシの一種らしいです。)

暖かくなって来たので庭に植える花を買いに近所のナーサリーや大型スーパーのガーデンセンターに行くと、「アメリカ人ってこんなに桜が好きだったの?」と思うほど、桜の苗が沢山売られていました。種類も豊富でびっくりです。20年前にこの地に住んでいた時には、うちの前庭にも主人が自ら枝垂れ桜を植えたので、当時からあった事は確かなのですが、こんなに多くはなかったような印象です。それとも、自分たちのアンテナが桜のようにな日本的な物の存在に昔より敏感になっているのでしょうか?

(近所のナーサリーにずらりと並んだ桜の苗。)

先日(4/1)、オハイオリバーの対岸にあるシンシナティのエデンパークに行ったら、たまたま車を停めた駐車場の近くに桜が綺麗に咲いていて、目的の植物園に行く前にちょっと寄り道してしばしお花見を楽しみました。


(鵜匠の像。シンシナティと岐阜市は、姉妹都市なんですよ。)


日本庭園というわけではないのですが、池のほとりに鵜匠の像があって、その周辺に植えられた桜が丁度満開を迎えていました。プレートを見ると、植樹されたのは丁度私たちが以前この地域に住んでいた時期だった事がわかりました。その頃ここに来た時には全く気付かなかったので、植樹の前だったのかもしれません。19年の時を経て、立派に成長しています。

(駐車場から植物園へ行く途中でも桜の下で楽しそうに写真を撮っている人がいて、こちらまでなんだか嬉しい。)

エデンパークの桜に感動した主人が、この辺りで他にもお花見が出来る所がないものかと、家に帰ると早速調べてくれて、翌日(4/2)にはエデンパークからもう少し北の方にあるオルトパークという公園にも行ってみました。ここには、この地域に進出している日系企業や個人から寄贈された桜の木が植えられた一角がありました。大きな鳥居をくぐって芝生の上の一本道を進むと、沢山の桜の木が迎えてくれます。数年かけて徐々に数を増やしていって、今の状態になったようです。全ての木に番号が振られていて、誰がどの木を寄贈したか分かるように、入口近くに地図と共にパネルになっていました。日米協会の音頭で、ボランティアで周辺のお掃除もしたりしているそうです。ここも見事に満開でした。

(オルトパークでは、小さい子供を連れたアメリカ人家族が、桜の下でピクニックをしていました。)

(少し離れた所には、何故か枝垂れ桜の大木もありました。)

沢山の人達の努力で長年の桜を通じた交流が根付いて、桜がアメリカの人達にも身近なものになって来たのかな。今こうしてアメリカでも桜を楽しめている事に感謝です。そして、桜を愛する文化を受け入れてくれているアメリカにも。日本でも、元々はアメリカから贈られたハナミズキが定着して、今では至る所で見られるようになりましたよね。実際、日本の我が家の庭にも紅白2本のハナミズキがあり、毎年綺麗な花を咲かせてくれます。「お互いに美しいと感じるものを共有できるのは、いい形の友情だな。」と、しみじみ感じます。

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