新しい扇子と扇子入れ

6/17/2025

 先週、奈良の国立博物館で開催されている「超 国宝展」に行って来ました。あと数日で後期も閉幕というギリギリのタイミングになってしまいましたが、なんとか間に合って良かったです。今回の一番の注目展示物は、何と言っても法隆寺の観音菩薩立像。手足はあくまでも長く華奢で、スラリとした美しい立ち姿と蝋燭の炎を思わせるような後背の、なんと有り難く慈悲深い印象を観る者に与えてくれる事か。


博物館や美術館で展示を楽しんだ後は、ミュージアムショップを覗くのがいつものお楽しみです。今回も印象に残った仏像などの絵葉書を数枚購入したのですが、ここで一つ問題が。ショップで一目惚れした扇子があったのですが、これが前期にしか展示されていなかった薬師寺の吉祥天像の衣の模様からインスパイアされたデザインだという事で、今回私が行った後期の展示には無かったんですよね。でも私、心ときめいちゃったんですよ。実際に観ていない物にまつわる物を買う事に一瞬迷ったのですが、一期一会という事もあるしね。結局買っちゃいました。


(開くとこんな感じ。色もデザインも好みです。)

(この状態で買いました。)

扇子入れが付いていなかったので、作る事にしました。これから長く大事に使いたいからね。

去年娘の扇子入れを作った事があったので、それと同じ作り方で作りました。ただ、扇子の大きさが違うので、型紙は余裕を持った形で新しく作りました。

(扇子に合わせて型紙を作りました。)

型紙は出来上がりサイズです。型紙通りにキルト芯をカットし、表布になる和柄の布と裏布になる無地の布は、型紙の周囲に1cmの縫い代を付けてカットしました。出来上がり線とあき止まりの印を付けておくのを忘れずに。


表布にキルト芯をアイロンで接着。


表布と裏布を中表に合わせて、上部の曲線部分をあき止まりの印まで縫います。


縫ったところの縫い代を5mm程に切り揃えて、綺麗なカーブが出るように切り込みを入れます。


表布と裏布をそれぞれ縦半分に折りながら中表に合わせて、あき止まりのポイントでは特にしっかりと返し縫いをしながら、縫い合わせます。裏布に返し口をぬい残すのを忘れずに。



(返し口を縫い残してね。)

返し口の部分を含めて、縫い代をアイロンで割っておくと、後の作業が楽です。


返し口から表に返して、表布も裏布も角をしっかり出すなどして形を整えてから、一旦裏布を表布の中に納めてみます。


大丈夫そうなので、もう一度裏布を引っ張り出して、返し口をミシンで塞ぎます。


裏布を表布の中に戻して、あき止まりのポイントに2本どりの糸で2〜3回巻き縫してしっかりさせます。ここに一番力がかかるので、念の為。


アイロンで形を整えて、完成です。

(ピッタリサイズ。)

(出し入れもスムーズです。)


これで終わりでも良かったのですが、ちょっと寂しい気がしたので、刺繍糸でタッセルを作ってプラスする事にしました。

(アメリカで買った刺繍糸セットを初卸し。)

最初は裏布に合わせて青いタッセルにするつもりだったけど、セットの中のいろんな色を見ている内に気が変わって、赤紫のタッセルにしました。


刺繍糸をマチ針のケース(丁度いい大きさだったので)にクルクルと10回ほど巻いて、カット。輪の中心を別の糸でギュッと縛って両サイドを一方向に折り返して、折り返したところから5mmくらいのところから5mm幅位下方向にもう一本別の糸を巻き付けて、糸端を針に通して房の中に針を刺して抜けないようにします。タッセルの長さを適当な長さに切り揃えて、出来上がりです。タッセル作りの途中の写真は撮り損ねましたが、昔のブログにも書いているので、ご興味がありましたら探してみてください。文字で書こうとすると説明が難しいですが、やってみれば単純な作業です。


出来上がったタッセルは、あき止まりのポイントに縫い留めました。バッグの中に入れたら、グチャっとなっちゃうかしら?でも、これがあった方がちょっとお洒落に見える気がします。とりあえず、満足満足。

(いい感じに仕上がったと思います。)

(チケットとお土産に買った絵葉書です。)

You Might Also Like

0 コメント